2023年03月05日

ヤマイいと福の「大中華(黒/白)」。


 青森県青森市、ヤマイいと福の大中華。

  〇ヤマイいと福
   青森県青森市古川1-5-1
   017-722-4407
   ・大中華(黒あん/白あん)
   ・108g/100g
   ・長さ 13.4cm/12.2cm
    幅   6.4cm/ 5.8cm
    厚さ  3.2cm/ 2.9cm
   ・黒あん/白あん




 青森県の県庁所在地、青森市で中華饅頭を発見。

 商品名の「大中華」は「中華」の大ということと思われます。

 海を渡った函館では「中華饅頭」「中花饅頭」と呼ばれており、

 秋田県能代市の茶誠堂では「中華」、

 青森県西津軽郡鰺鰺ヶ沢町の和菓子処山ざきでは「中花」と呼び、

 商品名に「饅頭」とつかないことから、

 北海道からの逆輸入ではなく、

 新潟→山形→秋田→青森と

 日本海沿いに伝わったのではないかと思います。

 なお、白あん仕様の袋に「白あん入」のシールがあり、

 黒あん仕様にはそれがないため、

 青森では黒あんが標準なのではないでしょうか。


  

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2023年02月20日

ふじみや製菓の中華まんじゅう特大



 北海道石狩市、ふじみや製菓の中華まんじゅう特大。

  〇ふじみや製菓
   北海道石狩市浜益区川下120
   0133-79-2303
   ・中華まんじゅう
   ・617g
   ・長さ37.0cm 幅8.6cm 厚さ4.5cm
   ・こしあん










 この中華まんじゅうは、

 一般社団法人石狩シェアハピシティ計画の河田さんから

 お土産にいただいたもの。

 なんでも新しくできた道の駅がその名物として、

 ふじみや製菓さんに頼み込んで「特大」を作ってもらったんだとかw

 それにしても37センチ600グラム越えの巨体。

 これまでの調査で最大だった

 餅のさかき屋(帯広市)の中華まんじゅうと比べても

 長さで2倍強、重さはなんと3倍強。

 「特大」というより「超々特大」でしょw

 あまりに大きすぎて自重に耐えられないので、

 袋のなかで折れないよう下に板が敷いてありました。

 同じ中華饅頭の仲間、

 福岡県柳川市は廣松宝来堂の「千代香」と比べると

 その大きさが際立ちますねぇ。
 





 で、「仏事に使用する」という同じ習慣があることから、

 北海道に中華饅頭を伝えたのは新潟県民だと考えてますが、

 残念ながらその証拠は未発見です。


 ただ、中華饅頭販売店を探すなかで見つけたのが、

 北海道最古の和菓子屋さん、小樽市にある花月堂。

 嘉永4年(1851年)に越後国新発田藩で創業し、

 明治37年(1904年)に小樽で開業しているとのこと。

 新潟県から北海道への移住者数は全国第2位ですし、

 花月堂のような菓子店も新天地を求めて北海道で開業し、

 新潟県からの移住者とともに

 中華饅頭を仏事に使うという風習を

 持ち込んだとしても不思議ではありません。


 途中で事業譲渡が行われているので失われているかもしれませんが、

 明治37年の開業当時の販売アイテムを調べたら

 何か出てきそうな気がします。

 っていうか、小樽市総合博物館にいらっしゃる指導員の櫻井さんが

 和菓子の木型とか中華饅頭の道具なんかを調べてるんですよね。

 その一環で中華饅頭の伝播ルートを調査しておられませんかねぇ。

 小樽を訪ねることができたら、

 花月堂での歴史調査とともに、

 できれば櫻井さんと意見交換させていただきたいです~。


  ※花月堂(小樽市)

  ※小樽市総合博物館


 というわけで、

 ここのところ中華饅頭ネタになると、

 思わず長文になってしまう朝倉2号でした。

 あ、そうそう、ふじみや製菓の中華まんじゅう特大、

 ものすごく食べ応えがありました。

 大食らいの朝倉2号が2回に分けて食べたくらいw


  

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2023年02月18日

廣松宝来堂の千代香。


 先週に引き続き、今週も千代香を買い占めるw


  ※絶メシリスト 廣松宝来堂(柳川市)


  
  

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2023年02月12日

今村規子著「史料でみる和菓子とくらし」読了


 元虎屋文庫研究主幹の今村規子さんが、

 錦絵や見本帳、茶会記、手紙などを読み解き、

 昔の人たちが和菓子をどのように楽しんでいたかを紹介する本。

 で、いちばん楽しんでるのは今村さん本人w

 もうね、文面からほんとに和菓子が好きなのが伝わってくるのよね。

 というわけで、今村さんといっしょに和菓子を楽しんでる感じ。

 あっという間に読み終わってしまったのが残念です。


 で、この本を読んでて

 「近世風俗志(守貞謾稿)」のところでピンときました。

 いわゆる「中華饅頭」は、

  溶いた小麦粉を薄く焼き味噌を塗って巻いて食べる「麩の焼き」
   ↓
  溶いた小麦粉を薄く焼き餡を包んで食べる「助惣ふの焼」
   ↓
  小麦粉に玉子と砂糖を溶いて薄く焼き
   餡を包んで食べる「中華饅頭」

 と、段階的に進化して生まれたのではないかと。


 その命名については、

 一般的には「中花種だから中華」と言われていますが、

 この説では、こんどは中花種の命名の説明ができません。

 また、嘉永7年(1854年)発行

 「意地喜多那誌」に掲載されている

 中華饅頭の横には「唐饅頭」があり、

 当時の日本から見た先進地へのあこがれを感じます。


 中華饅頭は玉子と砂糖を加える南蛮の技法による菓子であり、

 これまでの麩の焼きとは別物であるため

 「麩の焼き」から離れた名前を考え、

 南蛮の技法を使用しつつも

 「南蛮」より正統性のある「中華」と命名することで

 お客さんの目をひいたのではないでしょうか。


 まぁ、この説を証明できる史料はないので、

 すべて推測ではありますが。


  ※淡交社 今村規子著「史料でみる和菓子とくらし」



   

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2023年02月05日

中華饅頭の起源に関する一考察。


 「中華饅頭の由来はぎょうざではないか」

 そんな意見をいただいたのをきっかけに、

 中華饅頭の起源について考えてみました。


 確かに中華饅頭の形は餃子に似ています。

 餃子は安永7年(1778年)に

 中国料理書「卓子調烹法」で初めて紹介され、

 さらに、長崎に滞在する中国(清国)商人への

 聞き取り調査をまとめた本

 「清俗紀聞(寛政11年(1799年))」では

 イラスト付きで紹介されています。

 ただ、そのイラストは「餃子」とあるものの、

 現在の餃子とは似ても似つかぬものなんですよね。

 どちらかというとシウマイ風w

 ですので、いまのところは「餃子説」はなしかと。

  ※時の流れの落しもの


 ただ、中華饅頭が紹介されている江戸時代の本、

 嘉永6年(1853年)発行の鼎左秘録では

 その呼称は「中華饅頭(ちうくわまんちう)」で、

 文久2年(1862年)の古今新製名菓秘録では

 「中華饅頭(もろこしまんちう)」とあるところを考えると、

 中華饅頭の名称に当時の文明国である「シナ」を見ていたのは確実。

 ただ、中華饅頭が「シナ」から伝来したものかというと、

 私は別だと考えています。

  ※鼎左秘録(国立国会図書館デジタルコレクション)

  ※名菓秘録(国立国会図書館デジタルコレクション


 もともと、千利休が茶会で使用した「麩の焼き(ふのやき)」という

 溶いた小麦粉を薄く焼き、味噌などを塗り、

 巻いて食べる調理法はあったので、

 中華饅頭はその変形と見ることもできます。

  ※「麩の焼き」は福岡県南部の八女地方に
   郷土菓子「ふなやき」として現在も伝わっています。

  ※ふなやき(農林水産省 うちの郷土料理)

  ※じり焼き(大分県の郷土菓子)


 当時、小麦粉・鶏卵・砂糖の生地は南蛮由来の新しい食文化ですし、

 名称に文明国を象徴する「中華」をつけることで

 「カッコイイ」食べものに仕立てた可能性もあるのではないかと。


 というわけで、今回の中華饅頭の起源に関する考察はここまで。



  

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2023年02月04日

中華饅頭の全国分布。


 千代香、千代皮、中皮など、

 さまざまな呼ばれ方をしている江戸時代から続く和菓子、

 いわゆる「中華饅頭」を販売している店舗の分布を調べ、

 地図に落としています。

 (赤は入手して重量等を計測したもの、

  青はネット上の情報を根拠にしたもの)

 ネットで検索を繰り返すことで見えてきた

 長野~新潟~山形~秋田の明確なラインは、

 中華饅頭の伝播ルートを示しているんじゃないかと考えてます。

 そのまま北海道に北上したかというとそうではなく、

 「法事に使うという共通点」「明治維新後の移民者数の多さ」

 を考えると新潟からの伝播かと。

 で、わからないのは長崎と柳川。

 東京と同じく江戸時代に存在したのは資料で明らかなんですが、

 なぜ九州のこのあたりだけ?

 ここらへんを解き明かしたいですねぇ。


  ※中華饅頭の分布

  

Posted by 朝倉2号 at 10:00Comments(0)中華饅頭

2023年01月12日

もんすけ調査隊が中華まんじゅうのルーツを探る♪


 北海道放送の情報番組「今日ドキッ!」のコーナー

 「もんすけ調査隊」で中華饅頭が取り上げられました。

 中華饅頭が注目されるのは嬉しいかぎりです♪


  ※今日ドキッ!

  ※もんすけ調査隊

  ※中華饅頭の全国分布は → コチラ

  

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2023年01月02日

伝播ルートがちょっと見えてきた?


 昨日からグーグルマップの

 「中華饅頭の全国分布」を作り込んでるんですが、

 自分で調べたもの(赤)に

 信頼できるネット情報に基づくもの(青)を加えてみると、

 なんとなく伝播ルート見えてきたような気がします。

 江戸在住の戯作者、式亭三馬の滑稽本「浮世床」に

 「ちうか」として登場したのが1813年。

 江戸から広まったとすれば、中山道を通り、

 善光寺方面に流れて越後の国へ伝わり、

 徐々に海沿いに北上したのではないでしょうか。

 また、北海道への伝搬は、「法事に使う」という共通点から、

 明治時代以降、

 新潟県からの移民により伝わったのではないかと思います。

 こうなると浮いちゃうのは長崎方面。

 第十代平戸藩主松浦煕公が作らせた

 「百菓之図」が出版されたのが1841年。

 「百菓之図」に元銘「ちよかわまんじゅう」として

 「編笠饅頭」が掲載されているので、

 その時代にはすでに平戸に伝わっていたことになります。

 参勤交代で江戸の文化が伝えられたのでしょうか。

 また、幕府直轄地だった長崎市周辺にも分布するのは、

 長崎奉行の交代にあわせて伝わったのではないかと。

 でもそうなると、

 参勤交代してた全国の大名が伝えなかった説明がつかないし、

 幕府直轄地だった日田に中華饅頭はないし。

 というわけで、やっぱり伝播ルート、よくわかりません。

 だいたい、最初に「浮世床」に出てきただけで、

 「=江戸で生まれた」じゃないしな~w

  ※グーグルマップ「中華饅頭の全国分布」は → コチラ



  

Posted by 朝倉2号 at 09:00Comments(0)中華饅頭

2023年01月01日

中華饅頭の全国分布。


 千代香、千代皮、中皮など、

 さまざまな呼ばれ方をしている江戸時代から続く和菓子、

 いわゆる「中華饅頭」を販売している店舗をプロットしました。

 北海道と北陸、長崎と柳川、その特異な分布がよくわかります。

 購入したりいただいたりして把握している約50店舗以外にも、

 ネット上の情報を含めると全国で130店舗ほどになり、

 やはり前述の地域に分布しているのです。

 中華饅頭がどこで生まれ、どうやって伝播したのか、

 販売店探しとともに、その調査も進めていきたいと思います。

 とりあえず、

 西回り航路(北前船)が怪しいとにらんでるんですけどねぇ。


  ※グーグルマップ「中華饅頭の全国分布」は → コチラ
  

Posted by 朝倉2号 at 18:30Comments(0)中華饅頭

2023年01月01日

お菓子のまつ屋の中花万十。


 新潟県新潟市、お菓子のまつ屋の中花万十


  〇お菓子のまつ屋
   新潟県新潟市西蒲区巻甲2945
   0256-72-3305
   https://okashi-matsuya.com/
   ・中花万十(中花まんじゅう)
   ・54g
   ・長さ8.5cm 幅5.4cm 厚さ3.7cm
   ・白あん




  

Posted by 朝倉2号 at 14:30Comments(0)中華饅頭